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2016/02/29

プロゲーマー24時、夢のための競争

Naverに掲載されるスポーツウェブマガジン「マガジンS」の2月5日の記事です。プロゲーマーの日常をちらっと覗かれるので翻訳の申し込みメールを送りましたが返事が来なくて自分勝手ながら翻訳して載せました。もし後で掲載不許可のメールが届くか何らかの理由でこの記事は消される場合もございますのでご了承ください。

原文の記事には写真もありますので一度は原文の方も閲覧してみてください。

原文記事:http://sports.news.naver.com/esports/news/read.nhn?oid=064&aid=0000004696


KT Rolster LOLチームの日常

競争、そしてEスポーツの誕生


競争は我々と一番近い言葉の一つである。この世に生まれることからはじめ、大人になるまで沢山競争している。大人になっても同じだ。死んで灰になる寸前まで我々は競争から離れられない。

自分がしている競争はとてもつらくてつまらなく、残酷なものであるが、他人の競争はとても面白い。競争している人たちの腕がすごいほど、勝ちたい意志が強いほど面白い。自分が競争者の一人になったように感情移入するのも、競争者が自分と面識があって応援しながら観るとより面白い。

古代ローマではこういう競争を極限まで引き上げ、そして倫理的部分を完全に無視した剣闘士とコロシアムのようなものがあった、韓国にも犬や牛、鶏など人以外のすべてを戦わせて楽しんでいた。

近代に入ってからこういう競争をより健全に作った。公正なる規則、フェアプレー精神、観覧し安く変わる形態、競争者たちの権利を保障する集団など多様なものが作られた。競争の発展だった。そしてこの競争をスポーツと呼んだ。

スポーツは人々の意識水準と科学、社会・文化が発達しながら発展が加速化した。肉体的能力だけで競争するのではなく、精神的能力で競争する種目が登場したのだ。

Eスポーツは一番最近現れたスポーツジャンルである。未だ「ゲームなんかがスポーツなのか」と思う人もいるし、Eスポーツが正式スポーツで認められるための段階を踏んでいるのも事実だ。しかしスポーツと言う植物から一番最近生えてきた花であることには異見が無いだろう。すぐ切り落とされるか、華麗に満開するかはこれから次第だけど。



【写真1】韓国はEスポーツを先導している。


世界の中の韓国のEスポーツ



韓国はこのEスポーツの宗主国であり、先導国である。Eスポーツ歴史上一番盛り上がった2つのゲームタイトル(スタークラフト、リーグオブレジェンド)の一番高い水準の大会が韓国で行われた。Eスポーツ協会(KeSPA)も世界最初に韓国で誕生した。プロゲーマーの数も一番多い。2016年現在スタークラフト2で活動している選手がおよそ60名、リーグオブレジェンドも7~80名でその他の種目まで合わせると200名以上の選手が韓国でプロゲーマーと言う職業をもっている。

GoogleやYoutubeなど全世界で使用されてるインターネットサイトでKorean(韓国人)を検索すると関連検索ワードとしてGamerやProgamerが一緒に検索されるほど、ゲームする外国人によって韓国人はゲームではTop Classの人間である。


【写真2】ウォークラフト3 プロゲーマー「Moon」ジャン・ジェホ


腕を骨折した状態でも優勝したエピソードで有名なウォークラフト3プロゲーマー「Moon」ジャン・ジェホは2008年北京オリンピックの聖火リレーに参加した。リーグオブレジェンド最高の選手の一人である「Faker」イ・サンヒョクは中国でサイン会を行った。韓国選手の行動一つ一つがあらゆる言葉で翻訳され海外マスコミやコミュニティサイトに載せられる。韓国のプロゲーマーは独特な方法で韓国を世界に知らせていた。

プロゲーマーの日常はどうだろう。IEM Season8 Worldchampionship優勝、2014LOL Champions Summer優勝、Season5 LOL Worldchampionship Top8のKT Rolsterリーグオブレジェンドチームを訪問した。普段見れなかった選手たちの細かいこと一つも見逃さないように努力した。


KT Rolster LOLチームの日常を通して見たプロゲーマー


【写真3】軽く散歩しながら練習室へ移動する選手たち。


「おはようございます!」


選手たちの起床時間は午前10時から11時である。朝練は無い。起きて洗面とシャワー、軽い朝食を取る。すべての選手は宿所で生活する。自宅から通勤する選手はリーグオブレジェンド選手の中ではいない。選手たちの平均年齢も若い方で、5人が一緒にプレイするチームゲームなので、合宿するのが競技力上昇に大きな影響を与える。

KT Rolsterは宿所と練習室が分離されている。規模が一定水準を超えるゲーム団はみんな分離するのを選好する。練習室では練習のみ、食事と休憩は宿所で行う。

支度が終わった選手たちは練習室へ出勤する。歩いて5分程離れたところに練習室がある。スタークラフト2選手は練習室の右側に、リーグオブレジェンド選手は左側に席が用意されている。KT Rolsterのリーグオブレジェンド練習室は2個あった。2015年以前は一つのゲーム団から2つのチームを運営することが出来たからだ。今は一つの練習室は使用していない。

Eスポーツも他のスポーツと同じくウォーミングアップ(Warming up)をする。体を刺激して激しい運動に備えるわけではない。早く考えて判断するために脳を覚ます時間だ。


【写真4】ゲーム内の変更事項を確認することから始まる。


そして選手たちが絶対忘れないのは寝てる間ゲームが変更されたか確認することだ。ゲームは選手だけじゃなく、一般人たちも簡単に接続して楽しめるものだから、時々ゲームの規則が変わる。数値が少し変わるのは全選手が適応する。

しかし大きな変更は優れた適応力が必要だ。変更点が多すぎてゲームの流れが変わることもある。こういう変化の流れは「メタMeta」と表現する。メタの波をどれだけうまく乗りこなせるかによって成績も天と地ほどの差がでてしまう。

1時からはスクリムの時間だ。スクリムはアメリカンフットボールの練習試合を意味する「Scrimmage」が語源である。チーム内で行う練習ではなく、他ゲーム団と練習試合を行う。1試合でおよそ30分から40分ほど掛って、この試合を3~4回行う。


【写真5】「実戦のように・・・」スクリム訓練中のKT Rolster選手たち


「さあ、そろそろ集中しよう」


練習を初めて間もなく、選手たちが姿勢を立て直した。くだらない冗談は出なくなった。

自分がプレイするチャンピオンを選ぶ瞬間から、5人の選手たちの口と手は休まなかった。試合の大きな作戦から、細かい部分まですべて共有した。相手が使ったスペルのクールダウンは一つも逃さずチャットで記録されていた。自分のするプレイを口にして同意をもらった。一人のShot Callerの代わりに、お互い話し合って最適の方法を決めた。とても短い時間で最高水準の会議が何度も始まって終了された。

KT Rolsterの2人のコーチと1人の監督は選手たちの行動一つ一つすべて見守って記録した。空席のPCには選手たちがスクリムする場面が再生されていた。

1試合が終わった。KT Rolsterが勝利した。しかし彼らはモニターの前から離れなかった。よかったプレイを褒めて発展させる方法を模索した。よくなかったプレイに関する評価も始まった。


【写真6,7】終わらない評価と論議を通してプレイが完成される。


「監督、目が痛いです、めまいもするし」


KT Rolsterのサポート「Hachani」ハ・スンチャンが眼球の痛いと言ってきた。若干のめまいもすると話した。KT Rolsterのイ・ジフン監督はハ・スンチャンを眼科に送った。すごく心配する様子。

「ゲームするだけでなんの負傷があるのか」と思われることもあるけどプロゲーマーの負傷は結構多い。一番多いのは目の疲れである。長い時間モニターを眺めて、すごい集中力も要求されるので彼らの目はよく疲れる。頭痛も一緒だ。しかしこの場合は1日か2日くらい休めば解決出来る軽いものである。深刻なのは手首と腰の負傷だ。

手首でよく発生して選手生命に一番致命的な病が通称「トンネル症候群」である。手首の痛みとともに指の感覚が低下され、麻痺する場合もある。

手術が必要になるほど深刻だった選手もいた。トンネル症候群がひどくなると殆どプロゲーマーを引退する。一番効果的な治療法が手首を休ませることだからだ。つまりゲームが出来ないということ。

KT Rolsterで引退した伝説的スタークラフトプロゲーマー「Flash」イ・ヨンホも手首の痛みのせいで苦労した。「Slayers_BoxeR」イム・ヨファンも2012年肩負傷のせいで引退した。キーボードとマウスを押すのが静的だと思われるけど実際観るとすごく逆動的で負傷の危険が存在する。

そして腰の負傷もよくある。どんなにいい椅子も10時間を超える間に使用者の良い姿勢を維持させるのは出来ない。選手たちが試合に集中すればするほど「腰にはいいけど不便な姿勢」より「腰には悪いけど楽な姿勢」を取ろうとする。

有名なのは中国ゲーム団EDGで活動している「Pawn」ホ・ウォンソク。LPL Playoff 1setの途中腰の痛みで病院に運ばれた。とても試合が出来ない状態だった。EDGは予備メンバーで試合を行った。しかしチームが危機に迫られた時ホ・ウォンソクは鎮痛剤を射って会場に来た。試合はホ・ウォンソクの大活躍によって3:2のEDGの勝利だった。しかしホ・ウォンソクはこの試合を終えて2ヶ月間休めざるを得なかった。


【写真8】幸い大きな負傷ではなかったハ・スンチャン


ハ・スンチャンは大きな負傷ではなかった。乾燥した練習室のせいで出来た眼球乾燥症の初期症状だった。イ・ジフン監督は夕方の練習まで休むことを支持した。

昼のスクリムが終わった。時間は午後4時、選手たちが遅めの昼食を取りに宿所に向かった。選手たちの食事は特に変わったものではなかった。一般の家庭食。後食で飲み物と果物が出た。ちらっと見ても栄養バランスのいい構成だってことがわかった。2016年、KT RolsterのMid「Fly」ソン・ヨンジュンがインタビューで自慢する理由がわかった。個人的な感想ではちょっと甘かったけどここ1年間食べた家庭食のなかでは一番美味しかった。


「チャンホ(Ssumday)君が珍しく沢山食べるね」

「おばさん、肉が美味しいです」

「ドンヒョン(Arrow)君も足りなかったらおかわりしてね」


【写真9,10】KT Rolsterの食事は実家の食事見たいな和みと暖かさが感じられた。


食事後わずかな休憩時間。選手たちはいろんな方法で休息を始めた。KT Rolsterのリーダー「Score」コ・ドンビンはマッサージチェアーを利用した。「Ssumday」キム・チャンホはヘアショップに外出した。ADCの「Arrow」ノ・ドンヒョンは床で横になって寝た。



【写真11】「やっぱマッサージチェアーが・・・」コ・ドンビンの休息


休みが終わり、夕方の練習時間が来た。2回目のスクリム時間だった。練習は夜遅くまで続いた。夜10時彼らは夕食を取った。そして再び練習。KT Rolsterのイ・ジフン監督は「練習日程は24時までだけど今日は24時からストリーミングが予定されている、普通選手たちの退勤時間は深夜26~27時頃」だと話した。

ストリーミング(Streaming)はKeSPAで2015年から導入した個人配信である。選手たちはインターネット配信プラットフォームで自分の顔と声、ゲーム画面を視聴者たちに提供する。ファンたちはすぐ応援できるし、選手たちも近くでファンの話をフィルター無く聞ける。それにストリーミングで発生する金銭的利益もある。

自分の練習を他人に見られることに負担はなかった。選手たちはストリーミングをなかなか楽しんでいた。スクリムと違って個人練習は自由な雰囲気で行われる。視聴者と冗談を交わして笑う。音楽を聞きながらプレイする選手もいて、準備時間に読書をする選手もいる。ただ重要なのはゲームの中では真面目になることだ、たった1分も無駄にはしない。


【写真12】深夜とともに選手たちの一日も終わった。


深夜26~27時、これより暗くならない頃、選手たちは退勤の支度をした。一日中自分のために奉仕したキーボードとマウス、ヘッドセットを片付けた、宿所への帰り道1人の選手に聞いてみた「何のためにこうして競争する」と。その選手は薄笑みながら「勝つために競争する」と答えた。1秒の悩みもなく。


「辛くないか」

「辛い、死ぬほど辛い時もある」

「どうやって耐る」

「他の仕事をしても死ぬほど辛いって知ってるから耐えられる」


まだまだ少年だ、青かった。純粋で汚れていなかった。しかし彼らは競争のど真ん中で戦う剣闘士である。一日中勝利のためのことだけを考える。怠惰にならないように、練習を疎かにしないために自分を鍛え続けている。

表で見えるブロゲーマーの華やかさにくらべ、彼らが耐えている苦痛は大きい。10代後半と20代初、人生の中でとても大事な時期だ。

プロゲーマーは練習室で1日10時間以上練習しなきゃいけない。家族や友達、恋人に会う時間も少ない。他の友だちが学校の話、軍隊の話(韓国男性は20歳になると兵役を行う義務があります)、彼女の話で盛り上がる時、彼らは勝つ方法だけの話をしている。いつ光が訪れるかわからない不安の中でも、彼らはたったひとつの目標である勝利のため、暗い霧を自分の手で追っ払っている。


【写真13】輝く灯りのように彼らの未来も輝くことを期待する。


そろそろ選手たがの寝る時間だ。暗い部屋で携帯の灯りだけ光る。彼らは明るい液晶画面の向こうで何を見ているのだろう。多分一日中考えてたこととあまり変わらないはずだ。競争。彼らは明日も競争する。

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