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2015/12/06

Ahriの新ストーリー「さすらい狐」


Riot GamesはAhriのStatueを12月7日(NA基準)発売すると発表。同時にAhriの新しいStoryを公開しましたので、そのストーリーを翻訳してみました。

このスレを立てたのは・・・Teemoの関連記事
http://blog.livedoor.jp/cottontail_teemo/archives/46200245.html
この記事に上がっているリンク先にこのストーリーが(英語ですが)あります。


まだLOLの公式日本語版はありませんが、一部の名詞は私が勝手に日本語化しました。これはあと正式公開後、相異な部分は修正される可能性が高いです。

ex)Ahri > アーリ、Ionia > アイオニア、Noxus > ノクサス

さすらい狐

アイオニアのカントリーサイドが燃え上がった。ノクサス軍はアイオニアをノコギリ剣のように引き裂いた。彼らの輝く鎧は夕暮れの前で血の色に染めていく。燃えていく寺院が消えかける夕日に補い、遠くから聞こえる苦しみの叫びが大気を満たす。

テヴァサ山の麓には100人ほどが暮らしている村があった。偉大なる戦士が暮らすような村ではなかった。幾つかの家族は逃げ出した。ある人は祈りはじめた。愛する人と抱き合って泣く人もいた。勇気のある者50人が戦いの準備をした。彼らは熊手から土埃を払い、ほうきの先に刃を結んだ。

防御している全員の瞳に恐怖が満ちてきた。希望がないことは知っていた。ノクサス軍が進軍して立つ土埃が遠くから見えていたが神に祈ること以外何も出来ることがなかった。アイオニアの子女たちは山の空気を吸い込んで星がキラキラしている夕暮れを眺めながら近づく殺戮の時を待っていた。




アーリの九つ尻尾がくるりと動いた。緊張したのである。鋭い感覚が危険をしらせた。ぴたり聳えた柳の影の下にうずくまったアーリは耳を傾けて見守りながら待っていた。彼女は数週間村の人達を観察していた。遠くから眺めるだけで絶対近づかなかった。家族が食事をしながら交わす話し声、姉妹になれたかも知れない女子達の笑い声、子どもたちが遊ぶ声を聴いてた。何時間もその声を聴きながら自分の中にある切望に耐え切れなくなったらその場を離れた。

アーリは国家や政治に関してはほとんど知らなかったが、直感だけで今の世界が何かすごく間違っていることに気づいていた。好奇心旺盛だけど村人を怖がっていたアーリは鼻をクンクンと鳴らした。彼女は不安の原因を見つけ出し闇の中に飛び込んだ。



ノクサス偵察兵7人が草むらを切り抜けていつもより山に接近していた。黒い目を持ったこの慎重な男たちは手に武器を持って夕闇の中を注意深く進んだ。

アーリは彼らを見つけ、彼らを追って森のなかに入った。木と木の間をくるっと通って彼らの動きを見ると疑いが深くなった。彼らの任務が何なのか推測しかできなくても今までアーリは人殺しを見分けるほど充分な戦闘をやりのけていた。

偵察兵隊長が草むらを調べた。彼は歩きを止めず後ろの男に耳打ちで短い命令を下し、その男はその後ろの男にそれを伝えた。アーリは気にせず密かに追い続けた。

突然七つの手が七つの矢に触れた。

「今だ!」隊長が叫んだ。偵察兵が一斉に弦を離すと鷹の羽が付いた矢がアーリに飛んできた。

アーリが草むらから飛び出た瞬間二つの矢が袖を破った。袖を剥ぎ取った彼女は身を隠せる場所に入った。黄色い瞳が衝撃と怒りで燃え上がった。アーリは憚り無く彼らを処断するだろう。

アーリは空に向けて手を開いて自分の魂霊が吹き出す原初的な力が集まるのを感じた。九つの尻尾が四方に広がって唸り声と共に空気から白い炎を引き出した。彼女は手首を動かして三つの炎を召喚した。もう一回の矢を雨を避けたアーリは近くの木に飛んで尻尾を巻き、木の幹から弾き飛んで偵察兵の方へ身を飛ばした。彼女が真ん中に入り込むと偵察兵は散らばっていった。アーリの一番近くにいた男が剣を振るが空気を裂くだけだった。アーリは気が遠くなる速度で敵の間を舞うように動いた。

アーリの周りの炎が近くの偵察兵三人を飲み込んだ。白い炎が彼らを燃やしたがアーリにはもっと残酷な力があった。彼女は木から木へ跳躍して飛ぶ度に高く登って行った。木の根っ子に身をしゃがんだ偵察兵隊長が弦を引いているのを見つけた。少しでもチャンスを与えたら自分の目に矢を撃ちこむことをアーリは知っていた。彼女は隊長の身を隠している木の上にこっそり上がって妙な力を持つ甘い声で話をかけた。

「人間よ」アーリが囁いた。「私のところにおいで」

隊長の表情が緩んだ。彼は自分の意志に逆らって弓を離し援護から歩き出した。彼は絶望と欲望が宿った目を大きく開け上を見上げた。

「もう登ってきて」彼にキスを飛ばしながらアーリが言った。

完全にアーリの奴隷となった隊長は木の幹から踏み場を探した、アーリは手のひらから微かに光る球型のエナジーを呼び出した。ふと無害に見えるこの球は巨大な力を隠していた。アーリは手を後ろに反らし狐のような微笑みを作って球を下に投げつけた。

球が隊長を貫いてアーリの手元に戻ってきた。隊長の体が煙を出しながら森の床にドンと落ちた。残った偵察兵は恐怖に怯えて逃げようとしたが、逃げるのは潜るよりも無駄なことだった。アーリは竜巻のような尻尾を後ろにして木から木へと身を飛ばし雷のようなエナジーで二人を倒した。

最後の偵察兵は足がもつれて転んでしまい、折れた骨を抱えた。彼の隣にアーリが優雅に着地した。偵察兵の首を握りしめたアーリは顔を近づけた。

「あんたたちが招いたことよ」シューッと音を立てすさまじい力で男の首を手折った。

残った課題は一つだけ。

アーリは人間らしくない者から人間性を奪うことに憚りを感じなかった。彼女は倒れた偵察兵の前で跪き両手で彼の顔を抑えた。彼の精気が目と口を通って流れでてアーリの中から恍惚な感覚が湧き上がった。彼の人間性がアーリに入り込み、彼女は心臓が動く度に自分の中の狐が弱まることを感じた。尻尾たちは嬉しさに満ちて丸くなり、顔は喜悦に満ちた。

しかしこんな美しい感覚に我を忘れた状態でもアーリはだんだんと近づく足音に気づいた。戦闘の音を聞いた村人たちが調べにくるのであった彼女は死んでいく人の残り少ない姓名を吸い込む場面を村人に見せたくなかった。惨たらしく不思議な存在に見えるはずだ。人間でも獣でもない呪われた雑種。

アーリは仕方なく身を回して木と草むらの間で姿が動くのを見た。彼女は自分が遠くから見ていた人々を見知った。いつか彼らと交わそうと誓う友情を思いながら。

だが今日ではない。アーリは森のなかに逃げた。

アーリの突然の動きに垂れ下がった尻尾たちが後を追った。

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